令和4年10月より段階的に短時間従業員の社会保険適用範囲が拡大されます。対象となる企業及び従業員は次のとおりです。
対象 |
要件 |
平成28年10月~(現行) |
令和4年10月~ (改正) |
令和6年10月~ (改正) |
事業所 |
事業所の規模 ※1 |
常時500人超 |
常時100人超 |
常時50人超 |
短時間 従業員 |
労働時間 |
週の所定労働時間が20時間以上 |
変更なし |
変更なし |
賃金 |
月額88,000円以上 |
変更なし |
変更なし |
勤務期間 |
継続して1年以上使用される見込み |
継続して 2か月を超えて 使用される見込み |
継続して 2か月を超えて 使用される見込み |
適用除外 |
学生ではないこと |
変更なし |
変更なし |
※1 従業員数のカウントは次によります。
・フルタイム従業員数+週労働時間がフルタイムの3/4の従業員数の合計
・法人は同一の法人番号を有する全事業所の合計
年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の参考資料集の中で、平成28年10月に適用拡大になった事業所への調査結果では、社会保険の適用拡大に伴い雇用管理の、「見直しを行った」割合と「特に見直しを行わなかった」割合は、ともに1/3程度となりました。残りの1/3は「適用拡大の従業員がいなかった」となってます。
調査結果の既存の対象者への対応については次のようになっています。
具体的な見直し内容(複数回答) |
% |
% |
新たな適用拡大に伴い、対象者の所定労働時間を延長した |
57.6 |
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新たな適用拡大に伴い、対象者を正社員(短時間正社員を含む)へ転換した |
15.3 |
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新たな適用を回避するため、対象者の所定労働時間を短縮した |
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66.1 |
新たな適用を回避するため、対象者の月額賃金の水準設定を引き下げた |
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3.6 |
合計 |
72.9 |
69.7 |
調査の中で「適用拡大策をとった理由(複数回答)」で最も多かったのは次の理由です。
・短時間労働者自身が希望したから
また、「適用回避策をとった理由(複数回答)」で最も多かったのは次の理由です。
・短時間労働者自身が希望していないから
新たに社会保険の適用拡大企業に勤務している従業員に対しては、従業員に受益(年金額の増加等)と負担(保険料負担による手取り給与の減少など)が発生するため、企業は対象従業員への通知の後、必要に応じて説明会や個人面談を実施してもらいたいと思います。
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