2020年4月より派遣労働者の同一労働同一賃金が実施されています。賃金の決定方法は、「派遣先均等・均衡方式」、「労使協定方式」のどちらか、又は両方式の併用を選択することになりますが、「派遣先均等・均衡方式」は派遣先の情報提供の負担、及び派遣元の派遣労働者の賃金が、同一の職種にもかかわらず派遣先により派遣労働者の賃金が変わる可能性が高い為、派遣会社は「労使協定方式」の選択が多くなっています。
2020年10月14日第308回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会の資料【PDF】の調査結果によると、派遣元事業所の賃金の決定方式は次の割合になっています。
「労使協定方式」は88%
「派遣先均等・均衡方式」は8%
「労使協定方式」「派遣先均等・均衡方式」の併用は4%
派遣労働者の同一労働同一賃金決定方式で選択されることが多い労使協定作成・締結(過半数労働組合がない場合)の流れの一例を次に記載します。
労働者過半数代表者の立候補者を募る
派遣労働者の同一労働同一賃金の労使協定締結のために過半数代表者の選出を明示
職種ごとの一般賃金(基本給・手当・賞与)
原則、賃金構造基本統計調査または職業安定業務統計より選択
労働者過半数代表者の選任(信任)の実施
派遣労働者を含めたすべての労働者からの過半数以上の選任(信任)が必要
職種ごとの賃金テーブル(基本給・手当・賞与)の作成
各等級に属する派遣労働者の業務内容、難易度等が一般的な労働者の勤続何年目に相当するかを判断
一般賃金(通勤手当)の設定
実費または1時間あたり72円以上(2021年4月1日より74円)を支給
一般賃金(退職金)の設定
次の3つより選択。「退職金制度」「退職金前払」「中小企業退職金共済制度等への加入」
派遣同一労働同一賃金の労使協定方式の詳細については、「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル 「労使協定方式」における点検・検討手順【PDF】」をご覧ください。
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