労働基準監督署が行なう調査業務の一つとして労働保険料が正しく申告されているかを調査する「労働保険料算定基礎調査」があります。調査に際しては、事前に書面により通知があり、調査対象の期間は、労働保険料を申告した直近の2年度分を行ないますが、1年度分のみ行なうこともあるようです。
労働保険加入事業所宛に毎年6月1日ごろ送られてくる労働保険料申告書に同封されている継続事業用の「労働保険 年度更新 申告書の書き方」の中に「申告書作成チェックポイント」のページがありますが、その中のチェック項目が申告書で誤りが多い箇所です。その中のチェック項目をいくつか記載します。尚、継続事業とは一般の工場、商店、事務所等のようにあらかじめ事業の期間が予定されていない事業をいい、建設工事等のようにあらかじめ事業の期間が予定されている事業を有期事業といいます。
[ ]臨時労働者となるいわゆるパート・アルバイト等の賃金がもれていませんか。
※1日のみの雇用でも、労災保険の計算に含める必要があります。
[ ]通勤交通費(非課税分、現物支給の定期代等を含む)がもれていませんか。
※通勤交通費を給与とは別に現金で支払っている場合には、忘れがちになります。
[ ]雇用保険の加入条件を満たす労働者の保険加入手続きがもれていませんか。
※パート、アルバイト等の雇用形態にかかわらず、次の2点の両方を満たす労働者は、一定の除外者を除き雇用保険の一般被保険者となります。
①1週間の所定労働時間が20時間以上であること。
②31日以上の雇用見込みがあること。
※②の加入条件は平成22年4月より改正になっています。
調査の際に労働保険料の申告に誤りがあり、保険料の不足額が判明した場合は、不足額とともに不足額の10パーセントが追徴金として徴収されます。また、調査の際に保険料を多く計算し納めていた場合には還付が行なわれますが、還付金には利息はつきません。
労働保険料の申告は、年度更新時に送られてくる「労働保険 年度更新 申告書の書き方」を取っておき、年度更新時だけではなく1年に数回でも目をとおせば申告の誤りが少なくなるのではないかと思います。
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